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国際平和デーのシンポジウムの基調講演


国際平和デーのシンポジウムの基調講演で、世界連邦文化教育推進協議会理事長・日本宗教連盟理事長の宍野史生氏が、神道扶桑教では、富士山を根本道場としているが、富士山に登ぼるには五つの山道があると説明された。すなわち、山梨県にある北口吉田道と船津道、静岡県の東口須走道、富士宮村山道、御殿場道である。それぞれ自分たちの道が一番と誇りを持っているが、その行き着く先は1箇所であり、道は違えども目的はただ一つであると説明され、それぞれの教えは違えども、この地球の生きとし生ける者の幸せを願い祈る事は同一であると説いた。基調講演の全文は下記を参照して下さい。


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宍野史生 


世界連邦文化教育推進協議会理事長・日本宗教連盟理事長


発言の主旨


1549年キリスト教を、はじめて日本に伝えた聖フランシスコ・ザビエルゆかりの此処、聖イグナチオ教会において私たちは心を一つにし世界の恒久平和を祈るべく集まりました。私たちの切なる祈りが神仏に届きますよう只管に祈りを捧げます。


只今ご紹介にあずかりました私は公益財団法人日本宗教連盟の理事を勤めています宍野史生です。日本宗教連盟は宗教文化の振興を通して心豊かな社会の形成をめざしさらには世界平和へ貢献することを目的として結成された財団です。おもに、教派神道連合会、全日本仏教会、日本キリスト教連合会、神社本庁、新日本宗教団体連合会で構成されています。


私自身の信仰は神道扶桑教という教派神道です。教派神道は明治時代に「信仰神道」として確立された民衆神道であります。明治帝の大教宣布の詔の大御心を仰ぎ惟神の大道を宣教すべく勅裁により立教を許された教団です。三条教則に則り教導いたしますか、とりわけその第二条に記される「天理人道を明らかにすべき事」は、天地造化の神理と人間の行うべき本道を昭明にする事です。天理を平かに申せば宇宙の万事万物は調和を持って存在し其れを自然と申します。ゆえに自然に争うのは無理だと言うことです。そして人道とは父母兄長に孝行を尽くし、子妻弟幼を愛育撫字し、朋友相互に信実を篤くする。すなわち「みんな仲良く」であります。宇宙の自然に抱かれた人間と、あらゆる生命体は寒暖晴雨の下、互いに思いやり、助け合うことです。


残念ながら、人類の歴史を紐解くに目立つものは、数々の戦争の歴史です。原因は人の飽くなき欲望であります。「富を独り占めしたい!」と言うことに尽きます。国土を、農作物を、エネルギー資源を「独り占め」にしたいのです。ここ百年の戦争は全てエネルギー資源の独り占めが発端であります。しかし、これからの百年はどうでしょうか?


私たちは今、再生可能エネルギーへの転換に向かっています。我が国日本は今、最先端の技術開発に邁進しています。たとえば太陽光発電用パネルは薄型化が2030年を目処に開発が進めららており、特にこの、ペロブスカイト太陽電池は原料から国産での供給が可能になります。また、藻類(そうるい)バイオマス燃料の開発も実証段階に進んでいます。藻類から原油を抽出するのです。


太陽や風や波や地熱、これらは地球上どこにでも存在します。これを独り占めは不可能です。であれば、戦争の一大原因は無くなると言うことでしょうか。


さらに、今まさに私たちの概念の変容が始まりつつ有ります。中央集権型であった富の概念は、ブロックチェーンの普及により近い将来、分散型に変化するでしょう。そう遠くない将来、これらが当たり前のインフラとして浸透した世界では透明で効率的、不正のない公平な社会が訪れると予言します。ただ参加者個々人がデータを分散保持させる仕組みであるため、個人の自立が求められる社会となるでしょう。そうしたときに個人が精神的に孤立しないためにも、信仰や文化や習俗や芸術での結び合いは必須となるでしょう。その時こそ、私たち信仰者は互いに垣根を下げ、人々が信仰文化を通し、安心して結び合える世界になるよう力を尽くさねばなりません。


私の信仰である神道扶桑教は、富士山を根本道場としています。富士山には登山道が五つあります。山梨県に北口吉田道、船津道、静岡県に東口須走道、富士宮村山道、御殿場道です。それぞれ自分たちの道が一番と誇りを持っていますが、その行き着く先は御頂上1箇所です。道は違えども目的はただ一つです。私たち信仰者も、それぞれの教えは違えども、この地球の生きとし生ける者の幸せを願い祈る事は同一です。


昭和15年に国民歌謡で放送された「隣組」という歌があります。作詞は芸術家岡本太郎さんのお父様の岡本一平さんです。「トン、トン、トンカラリンと隣組。格子を開ければ顔なじみ… 」と始まる歌は、皆様よくご存知でしょう。その四番に「何件あっても一世帯、心は一つの屋根の月、纏められたり纏めたり」とあります。私はこの歌が大好きです。


皆さまと「心は一つ、皆んな仲良し」を合言葉に歩んでまいりたいと願っています。 以上



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